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2018.01.18

【連載(第5回)】元・社史ライターが叫ぶ。社内報の「資料的」価値
「関係会社紹介」は、唯一の“公式まとめ”?

「関係会社紹介」は、唯一の“公式まとめ”?

こんにちは、元・社史ライターのkumaです。本年もどうぞよろしくお願いします!

さて、前回は脇道にそれた当連載。今回は、「社内報の資料的価値に光を当てる」という本線に復帰します。取り上げたいのは、「関係会社紹介」のページです。類似のもので「事業所紹介」や「子会社紹介」もあると思います。いずれも定番企画のひとつに数えられますよね。

新たにグループに加わった会社を紹介する単発企画の場合もあれば、連載コーナーを設けてグループ各社を順次取り上げていく場合もあるかと思います。前者の場合は、「新会社のグループ入り」という話題そのものが、事業の戦略・方針と密接に関わっているので、新たなパートナーシップについて周知を図る意図が込められているでしょう。また後者の場合は、自グループの事業とその拠点について社員の理解を促進する(さらにいえばグループとしての一体感を醸成する)ねらいがあるはずです。紹介記事では、所在地の周辺環境や、グループ内での位置づけ、その会社の来歴、最近のトピックや本社とのかかわりについて書かれています。

社史ライター時代の私は、数十年前の社内報に掲載されたこれらの紹介ページに何度助けてもらったか分かりません。たとえば、全国に拠点を持つメーカーの社史で、「生産能力の拡充」や「拠点の統廃合」といった戦略を詳しく書きたい時。あるいは、資料の中に突然出てきた関係会社と思しき会社のバックグラウンドを知りたい時。対象の年代は1970年代、1980年代ですから、紙の資料に頼るしかありませんが、「どんぴしゃ」な資料が出てくることはまれです。社史編纂担当者といえども、何十年分の多種多様な資料を全て掘り返せるはずもなく、執筆資料として提供されるものは、統一された規格で継続的に発行され、かつまとまった状態で管理されてきたもの(経営会議録、有価証券報告書、社内報)が中心になってきます。社内報に掲載された1Pないし2Pの紹介ページは、数十年の時を経てもなお容易にアクセスできる、いわば唯一の「公式まとめ」だったのです。(ありがたや……)

ここまでだと私の思い出話にしかならないので、あらゆる情報がデジタル化され、媒体の形式や、人々による受容のされ方がこれからも大きく変化していくであろう21世紀を生きる者(…オーバーな表現ですね!)として、思ったことを以下に少し続けます。

私が気になるのは、20XX年代が、いつか振り返るべき「過去」になった時のことです。

「この工場の生産品目と処理能力は?」「この子会社のグループ参画はいつ?」というような、スペックや年月に関する問いであれば、ネットの検索窓にキーワードを打ち込めばすぐに複数のページが答えをくれるはずです。

しかし、「その拠点の概況は?」「本社とのかかわりは?」といった奥行きのある問いに対しては、そういった無数に散らばる情報の断片では不十分。その対象自体を取り上げたうえで言葉を紡いだ記事に辿りつく必要があります。

そうなった時に、社史ライターが藁にもすがる思いで紐とくのは、やはり社内報だと思うのです。PDFデータなのか、はたまたHTMLなのか、それともやはり紙なのか。時代の移り変わりとともに、媒体は変化していくでしょうが、たとえ何十年経っても容易に通覧できる形で保存されていて欲しいなと思うのです。

時代は、「紙」の一択から、「紙か電子か」の二択へ。さらに「電子」のバリエーションが増えていく今だからこそ、社内報を制作する私たちは、未来の読者からのアクセスにも思いを馳せる必要がある――。どんぴしゃな資料が見当たらず半ベソで社内報のページをめくった日々を思い返しながら、そんなことを考えました。

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